新・地震学セミナーからの学び | ||||||||||||||||||||||||||||||
26 深発地震は何故海溝部にしか起きないのか | ||||||||||||||||||||||||||||||
ニューオフィス23において深発地震面はプレートが潜り込むために出来るのではないこと、深発地震は熔融し、対流しているマントル内部で解離水が爆発を起こしていることが原因であることを説明いたしました。
ではなぜ、深発地震は海溝部だけのものなのでしょうか。なぜ海嶺部分の深部には解離水の爆発はないのでしょうか、不思議です。確かに海嶺付近は地震の多発地帯ですが、深発地震は起きていないのです。この謎を解いて見ましょう。 |
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図ー1はマントル対流を模式的に示したもので、海溝部では潜り込み(流体ですからおかしくはありません)があり、地球内部を対流して、海嶺部で上昇して行きます。一部はマグマとなって地上にも噴出するので、海底岩盤には地磁気の縞模様ができます。ほとんどのマントル物質は、上昇後に地殻の下部で水平移動となるでしょう。そこで、海溝部から潜り込みの終点に至るA〜Bの区間、対流行程のB〜C区間、そして上昇していくC〜D区間に分けて、解離水と、結合水の挙動を推定してみます。海嶺部で上昇していく理由は、ニューオフィス16で考察した、毛布効果であると思います。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
図ー1 マントル対流の模式図 海溝部から潜り込み、海嶺部で上昇すると考えられます。
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毛布効果とは大陸を分裂させるもの、そして大陸移動の原因とされていますが、それは間違いで、むしろマントルを上昇させる原動力と考えた方が良いと思います。海嶺部の深い水深は、熱を逃し難くく、地殻内部のマントルは水深の浅い海域よりも温度が高くなります。暖められたマントル物質は当然上昇します。したがってこの温度差がマグマを上昇させるのだと考えられます。ですから、マントル対流をサポートしているのは海洋水深のアンバランスによる「毛布効果」であると言うことが出来ます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
図ー2 A〜B区間の解離水と結合水の構成と地震の発生、深部まで地震は続く。 | 図ー3 B〜C区間の解離水 この間では、対流する間に、解離水はマントル物質の液体としての拡散現象によって、希釈され、解離水は量的に減少します。 | |||||||||||||||||||||||||||||
さて、図ー2はA〜B区間の解離水と結合水の構成を模式的に示したものですが、ニューオフィス23に示したように、高解離度領域に入るたびに、解離水→爆発→結合水を繰り返して(補遺参照)、結合水が無くなるまで地震は続きます。図ー3はさらに地球内部に侵入するマントル対流の主要部分ですが、この移動の間に解離水は拡散現象によって、希釈され、量的には少なくなります。C点の海嶺下部に達した時には、解離能力をかなり下回った量しか含んでいないものと思われます。この状態で上昇して行きますから、解離能力限度までは地震も何事も起きずに、上昇します。それを過ぎた時に限度を超えた解離水が爆発して結合水に戻ります。地震の発生です。これを繰り返して、解離水は姿を消し、結合水に姿を変えていきます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
図ー4 C〜D区間の解離水と結合水の構成と地震の発生、 地震は深部では起こらない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
この結合水が、その他の溶解物質とともに、ブラックスモークを噴出させるのでしょう。海嶺の谷間にはこのブラックスモーカーが林立しているということです。
以上の考察から、深発地震はマントルが潜り込む海溝部に特有の現象であり、マントルが上昇する海嶺部には、浅い地震しか起こらないのです。 ブラックスモーカーに関しては、ニューオフィス14にてNHK「地球大紀行」の一節を紹介してありますが、その後にこれのメカニズムについて述べてありますので、まず紹介します。 「さらに、その後の研究で、この現象は、海底での海水の循環によるものだということもわかった。 とあります。このようなすごい圧力下の深海底で、地上と同じような地下水現象があるのかどうか知りませんが。解離水から地震というプロセスを経て、結合水に戻っていく、その水が噴出しているという新しい解釈を提示いたしました。 なお、ライブラリー47に、深発地震面の形状を分類したものを紹介しましたが、途中で地震の発生が無くなる分布形状をした地域があります。ある区間だけ解離が起こらなくなるということは、その範囲の温度増加傾向が緩和されていることが考えられます。一定区間だけ温度変化が無く一定値、あるいは温度が逆に下がっていることなど考えられます。この地域にかつて大陸があって、(ムー大陸が該当します)それが大地震によって沈降したために、いまだに温度が他の地域のように、一定の温度勾配で変化しないという可能性もあると思います。
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セミナー23の補遺でも、説明しましたが、解離度の高い深部に進行したときに、なぜその場の解離能力以上に解離するのか、過剰な解離水が爆発するという理由が分からないという質問がありました。
セミナー23でも説明しましたが、マントルが乱流として移動していることで説明がつけられると思います。 マントル対流は乱流として移動しているために、局所的には下から戻る流れがあります。したがって、解離度の高い下から戻る成分があり、この中に存在する過剰解離水が爆発によって結合水に変化する、ということが起こっているのだと思います。 |
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・マントル(二層構造である地殻の下部)が熔融していることについては「マントル熔融論の証明」(2009,10,09)を参照してください。 |
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